そして、デジカメ始めました
2013年 12月 28日
高校に入学したら文科系の、できれば科学のクラブ活動をしたい、漠然とそう考えていました。1971年4月に私が入学した広島の皆実高校には、理科系のクラブは生物部だけでした。理科の中でも生物にはあまり興味がありませんでした。一週間あまり迷った末、部室の戸を叩きました。そして、入部したその日、3年生の先輩に連れられ広島市の中心部に行き、部費でネットと竿、三角ケースなどを買ってもらいました。初めて手にした蝶用のネットは、子供の頃使った虫取り網とは全く違い、目の細かい絹製でした。1.5m程の竿には鋼製のベルト状のフレームが収納されていて、これをネットの縁に通して、竿の先端の金具に止めると、直径30㎝の捕虫網の完成です。こうして期せずして、蝶との関わりが始まりました。
高校の途中で千葉に引っ越しても蝶との付き合いは続き、大学に入学すると生物研究会に入部しました。7年間蝶の採集を続けましたが、子供の頃から蝶を追い続けている人達と私には、大きな差があると感じていました。元来横着者の私にとって、採集の後に待っている展翅という作業は楽しいものではありませんでした。特に小さなシジミチョウの展翅の作業は、繊細で神経を遣うものでした。蝶を追いかけることには夢中になりましたが、蝶を収集することにはそれ程こだわりを持てませんでした。そんな理由で、大学卒業後は自然と蝶と関わる時間は減っていきました。社会へ出て2年目に一眼レフのカメラを買ってから、再び蝶を、今度はカメラで追いかけようと思いました。しかし、当時のカメラでは接写撮影は難しく、フィルムを10本も撮ると1万円近くかかってしまいます。10本といっても300枚もありません。せっかく買ったカメラもどこにしまったかもわからなくなりました。そして30年近くの時が流れました。
デジカメ始めました《2007年》
二、三年前からツマグロヒョウモンを見かけるようになりました。今でも大切に持っている「山渓カラーガイド42 日本の蝶(昭和46年初版)」によると、ツマグロヒョウモンの分布は近畿地方以南とされています。確かにそれまで東京近郊でツマグロヒョウモンを見ることはありませんでした。そのツマグロヒョウモンを撮るために、2007年の夏休みに初めてのデジカメを手に入れました。
モンキチョウです。黄色の♂と白い♀です。