11月19日、午後はビーチに出ようと西に向かいます。なだらかな起伏のある道は海沿いを進み、南風見田の浜で行き止まりです。1977年、初めて西表島を訪れたときは、この道を民宿の主人に車で送ってもらいました。当時は無数のオオゴマダラが飛び交い、道を30㎝はあるトカゲが悠々と歩いていました。時間が止まったように見える西表島も変わりつつあります。当時、映るテレビはNHKだけ、民宿のお母さんが「子供達には民放は見せない方が良い」と言っていた言葉が甦りました。海は相変わらずエメラルドに澄み切っていました。
ビーチと林の間には草むらがあります。そこで
オジロシジミを見つけました。
しっぽはかなり短いようです。尾が白いのかはよくわかりません。
翅の表は薄紫です。触角の先は杖状に曲がっています。すぐ近くで交尾中の個体も見つけました。
シジミチョウには歳の差カップルが流行りのようです。歳といっても数日ですが…。たいてい若いのは♀です。
元祖
ウラナミシジミも登場です。南の島では心なしか地味に見えます。
タイワンクロボシシジミは旬ではないのか、擦れた個体ばかりでした。
ルリウラナミシジミが一番多く見られました。これは♀です。
♂に比べ翅裏の褐色が薄いようです。翅の形も丸みが強いようです。
ウラナミシジミよりはかなり小型です。食草はウラナミシジミと同じくマメ科の植物です。
そんなに広くない草むらですが、多くのシジミチョウ達との出逢いがありました。ただ、この時期、海沿いの方が陽が射すことが多いようで、とても暑いのです。ここはビーチと言ってもシャワー等の設備はありません。陽射しを除けるには林の木陰だけです。数組のファミリーが車を林に止め、海水浴を楽しんでいました。
私には今日のもう一つの目的があるので、大原へ戻ることにしました。しかし、ここで緊急事態です。電動アシスト自転車がバッテリー切れになってしまいました。もう、アシストしてくれない自転車は、ただの重いだけの自転車になってしまいました。大原まで5㎞ほど、上りは押して、下りだけ乗って、来た道を戻りました。それでも「探索」は忘れません。食草でもあるクズの花を探すと、多くの
ルリウラナミシジミが訪れていました。
やはり翅は開きませんが、少しだけ表を見せてくれました。表の色は、♀の方が薄いブルーです。
こうして、やっとレンタカー事務所にたどり着き、アシストしてくれなくなった自転車を、約束より早い時間に返却しました。