午後2時半、最後の探蝶にキャンプを出発しました。バヤラさんが他のガイドさんたちから花の咲いている場所の情報を聞き、取り敢えず昨日行った亀石に向かう道を辿りました。向かいのキャンプの敷地を通り峠の手前の道端で
エゾシロチョウが吸蜜しているのを見つけました。
草原に点在する岩の上で、小鳥が歌っていました。地味な感じの鳥が多いです。
亀石に向かう道を峠の手前で左の斜面を登って行きます。紫色の花がたくさん咲いているところがあるというのです。斜面を登って行くと風が強くなりました。
なだらかな道は右にカーブしていきます。すると、確かに岩の周りに紫の花が咲いていました。たくさんと言う程ではありませんでしたが。それでも、数頭の
カラフトルリシジミが花を訪れています。
カラフトルリシジミとアサマシジミが吸蜜していますが、どの個体もかなり翅が傷んでいます。谷間と比べ風の通り道になるためか、蝶たちには厳しい環境なのでしょう。
私が岩場の小さな花園でシジミたちを撮っている間、バヤラさんは手前の斜面で
モンキチョウの仲間を追いかけていました。文字通り斜面を走り回っていたようです。そのモンキチョウは黄色ではなくオレンジでした。私はその雌らしい個体を見つけました。
この後、オレンジの雄とこの白い雌は絡み合って舞い上がり、風に乗って飛び去りました。丘の上からは亀石が見えます。
ここでもアポロは見つからず、斜面を降りて、昨日のエゾシロチョウの卵の様子を見ようと思ったのですが、不思議なことに卵はどうしても見つかりませんでした。バヤラさんと二人で全ての低木を一つずつ調べたのですが。
代わりに
ウスユキシジミが見つかりました。アサマシジミと並んで止まると、一回り小さいようです。
ウスユキシジミは吸蜜しながら、じっとせずに動き回ります。
小さいのですが、とても存在感がある蝶です。
午後4時を過ぎてしまったので、残された時間はもう僅かです。アポロを探すべきなのでしょうが、ウスユキシジミが目の前にいると、もうどうでもよくなってしまいます。
ウスユキシジミはお腹がいっぱいになったのか、葉の上で少し休むと翅を開くことなく飛び去りました。
今日はキャンプで夕食を摂り、その後ウランバートルに向かう予定です。そろそろキャンプに戻る時間です。バヤラさんは「きっと帰る途中にチャンスがあるよ」と言っていますが、私は既に諦めていました。