気まぐれな空の下で

 午前中でした。用事があって車で出かける途中、信号待ちのときに道の脇の空き地を何気なく見ると、数頭のウラナミシジミが飛び交っていました。気温はあまり上がりませんがまずまずの陽射しがありました。そこで、用事を済ませた午後一時前、いつもの里山にやって来ました。そして、カナムグラの花にウラナミシジミを見つけました。
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 足元の地面の近くをヤマトシジミが飛び回っています。雄が多いようです。葉にとまった一頭は、口吻を伸ばそうとしています。でも、吸蜜でも、吸水でもないのです。
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 ヤマトシジミは”お手入れ”を始めたのです。左は犬と同じように脚で頭を掻いています。右は触角を脚に挟んでしごき、汚れを落としているのです。
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 すっきりしたのでしょう、ヤマトシジミは翅を広げました。
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 カナムグラと言えばキタテハです。探してみるとやはりいました。形は秋型のものですが、色は未だ少し淡い気がします。
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 葛の葉の上に小さなパンダを見つけました。背中にはワッフルのような凹凸があります。初めて見る虫です。あとで調べるとオジロアシナガゾウムシという名前でした。普通に見られる虫だそうですが、今まで見たことはありませんでした。
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 ベニシジミは数は多くありませんでしたが、新鮮な個体が見られました。夏が終わって、再びオレンジの個体が羽化したのでしょう。
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 こちらのベニシジミはエノコログサの上で吻を伸ばしています。蜜は出ないと思うのですが。
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 アレチウリの花も咲き始めました。ウラナミシジミはアレチウリの花を好んで吸蜜します。
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 午後1時を回る頃にはすっかり雲が厚くなってしまいました。でも、陽射しが強くない方が翅を開くようです。少し翅が傷んでいますが雄です。
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 そして、とても綺麗な雌を見つけました。普通のウラナミシジミの裏翅は薄茶色なのですが、この個体は灰色に見えました。
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 波の模様も少しですが乱れているようです。
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 半開翅ですが、翅を開くと輝くブルーがとても綺麗です。翅の表の縁の色も褐色というより青みがかったグレーです。後翅の縁の黒点が発達しています。
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 気が付くと蝉の声が聞こえません。代わって流れているのはコオロギなどの秋の虫の声です。雲もさらに厚くなったので帰ることにしました。僅か40分の散策でしたが、シジミチョウたちの姿に秋を楽しむことができました。

Commented by yurinBD at 2017-09-24 22:46
ウラナミシジミの数が増えてきましたね、すっかり秋ですね~。
カナムグラの花は初めて知りました(汗)覚えておきます。
裏翅が灰色のウラナミシジミは初めて見ました。特徴的ですね~。
こうした色の変化に気が付くのも、シジミを確り観察されているfushiginomoriさんだからこそですね!
Commented by fushiginomori at 2017-09-26 15:26
yurinさん、ウラナミシジミは大好きな蝶です。
新鮮な雄の開翅はとても綺麗なのですが、中々撮影させてくれません。
雌も時々はっとするほど美しい個体がいるので…今日の個体もその一つでした。
全開翅はしてくれませんでしたが。
Commented by ダンダラ at 2017-09-27 19:17 x
ずいぶん裏面の模様のはっきりしたウラナミシジミですね。
撮影したことないような気がします。
身近な蝶でもいろいろなことがあるものですね。
Commented by fushiginomori at 2017-09-30 16:21
ダンダラさん、コメントありがとうございます。
表も綺麗な雌だったので、もっと撮りたかったのですが、このあと飛び去ってしまいました。
ウラナミシジミは身近な蝶ですが、秋の楽しみの一つです。
Commented by banyan10 at 2017-09-30 19:49
最後のウラナミシジミは低温期型とも違って不思議な感じですね。
最初の吸蜜はカナムグラですか?
花を意識して見たことないですが、ランのような感じですね。
こちらではウラナミシジミが多い場所が今年は見つかっていませんが、注意して観察したいと思います。
Commented by fushiginomori at 2017-10-02 10:54
banyanさん、この個体は肉眼で見ても違和感がありました。
同じ場所で2014年の8月に、白っぽいウラナミシジミも確認しました。
ときどき色合いの異なる個体がいるようです。
でも、ウラナミシジミはこの辺りでは越冬できない訳ですから、場所はあまり関係ないのでしょうか。
by fushiginomori | 2017-09-24 20:16 | 千葉県 | Comments(6)

千葉の里山、近郊の公園、そして南の島の不思議の森で出逢ったシジミチョウをご紹介します


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