時計を進め、8月18日のクアラルンプール近郊の森です。散策路の入口の東屋で休憩しました。東屋と言っても板張りの台に柱と屋根があるだけです。でも、陽射しが当たらないだけでもありがたいものです。バッグに入れてきたペットボトルのミネラルウォーターを空にしました。汗が流れます。本当に、滝のように流れます。濡れるのはTシャツだけではありません。ジーンズも膝まで色が変わっています。すぐ近くの木の枝に
オナシウラナミシジミを見つけました。
葉の上でしばらく様子を伺い、私の足にやって来ました。
蝶が来るのは花だけではありません。着古したジーンズに滲みた汗もごちそうのようです。左隅に写っているのは愛用の105㎜マクロです。
別のシジミチョウも現れました。
エリルスルリフタオツバメです。
エリルスルリフタオツバメ1頭とオナシウラナミシジミ2、3頭が絡み合うように飛んでいました。中々のスピードです。散策路の入口付近は舗装してあり、路肩は小石をコンクリートで固めてありました。その石の上がお気に入りのようです。近寄ると飛び上がり、すぐに少し離れたところに止まります。そして、近寄ると飛びます。それを根気よく何度も繰り返しました。
グレーの石はマッサージ用のようで、散策を終えた人々が裸足で歩きます。で、エリルスルリフタオツバメも一休み。
オナシウラナミシジミが舐めているのは、石に付いた足の裏の汗でしょうか?かなりの悪食です。
2種類のシジミチョウの登場で、暑さも忘れてシャッターを切り続けました。そのとき、見たこともない茶色の蝶がふわふわと舞い降りてきました。
マレーシアには、日本では見られないシジミタテハというグループの蝶が生息しています。シジミチョウのような触角とタテハチョウの4本足(実際は1対が短いだけで、脚はちゃんと6本ありますが…)を持っています。この蝶は
シロオビヒョットコシジミタテハです。
ヒョットコと名付けられたのは
〇の部分、ひょっとこの横顔に見えるからだそうです。
水もなくなり、お腹もすいたので、私はクアラルンプール近郊の森を後にしました。こうして2012年夏休みのマレーシアの旅が終わりました。しかし、このときから不思議の森に迷ったままです。日本に帰っても、しばらくするとまたジャングルが恋しくなるのです。