庭で
ツマグロヒョウモンが羽化したようです。蛹を二つ見つけていたのですが、この個体は見つけられなかった蛹から羽化していたようです。時刻は午後6時20分、ツマグロヒョウモンはこのまま夜を迎え、翌朝飛び立ちました。
他の蛹は未だ羽化していません。これは地面に落ちていた枝で蛹化したので、枝を拾って柚子の枝に括り付けました。
蛹は褐色ですが、プラチナのアクセサリーを付けています。もう一つは枝の陰に隠れています。こちらの方が淡い色です。
幼虫はパンジーを植えたプランターで育ちます。赤と黒の毛虫です。拡大してみると、棘にも棘が生えていて、触るといたそうです。実際に触ってみると、この棘はゴムのように柔らかなのです。
幼虫たちの食欲は底なしで、パンジーの花も三つしか残っていません。そろそろ蛹化しないと食料が底をついてしまいそうです。
42年前、高校に入学した当時、私は広島県にすんでいました。生物部に入ってから蝶を始めたのですが、南国ムードたっぷりのツマグロヒョウモンは一度は見たい蝶の一つでした。この一年でツマグロヒョウモンを見る機会はないまま、千葉へと転居したのです。
それが、じわじわと生息範囲を広げ、関東でも姿を見かけるようになりました。初めて雄のオレンジ色の開翅の姿を撮ったのは2007年の秋、上野の旧岩崎庭園でした。普通のデジカメでしたが、吸蜜に夢中でカメラを近づけても気にならないようでした。
そして、2008年に一眼のデジカメを手に入れ、蝶を追うようになりました。ツマグロヒョウモンは今ほど数は多くなく、秋になってからやっと雌の姿も捉えることができました。市川動物園の入口の花壇でした。翅の”褄”のインク色のデザインはカバマダラを擬態していると言われています。
それから年々ツマグロヒョウモンを見る機会が増えました。そこで、プランターにパンジーを植えるようになったのです。2011年にはプランターの縁で羽化しました。不思議なことがあるのです。ツマグロヒョウモンは2,3年はプランターの近くで蛹化していたのですが、今ではプランターから離れ、”隠れて”蛹化するようになったのです。カメラで追われるのを嫌ったのでしょうか?
今では、庭で生まれたツマグロヒョウモンが、産卵に訪れ世代を繋いでいます。この営みを目の当たりにすると、グロテスクな幼虫たちさえ愛おしく思えます。
珍しい来訪者です。
ルリシジミの雌を庭で見るのは初めてでした。もう少しで開翅しそうですがやめてしまいました。
バラに止まりましたが、吸蜜でしょうか? それとも花弁の雫を吸っているのでしょうか? バラ色がルリシジミに映っています。
この時期、どうしても”外”に目がいってしまうので、近くを歩く機会が減ります。ですから、蝶の方から来てくれるのは、とても嬉しいことなのです。