里山は主役交代の季節です

 ゴールデンウィークの後半、5月5日と7日の二日、昼過ぎにいつもの里山を歩きました。このところ雨や風の強い日が繰り返したせいか、春の蝶たちは、その翅にダメージを受けていました。新鮮なのは最近羽化した蝶たちです。

 散策路の入口には、近くの工場の駐車場があります。その傍らのハルジオンにアオスジアゲハが来ました。アオスジアゲハは毎年4月下旬に姿を現す初夏の蝶です。車を背景の絵になりました。ちなみに5月7日にはこのハルジオンがあった草むらは綺麗に刈られていました。
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 アゲハは4月初めから姿を見せていましたが、中々撮影の機会が無かったのです。今年の春は週末に天気が崩れることが多かったので。
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 アゲハはしばらくハルジオンの花を巡っていました。
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 他にはクロアゲハ、ナガサキアゲハが道沿いに飛んでいますが、通り過ぎて行くだけです。この近くで撮影できる場所が見つかりません。

 タテハチョウの仲間では、数が増えたのはツマグロヒョウモンです。雄、雌ともハルジオンを訪れました。ハルジオンの茎が細く、雌がとまると花が下を向いてしまい、表の写真が撮れませんでした。雌は5月7日が今年初めての目撃です。
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 コミスジも姿を見せました。こちらも初夏の蝶です。
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 初夏の蝶たちが次々と姿を現す中、間もなく見られなくなるのは秋の蝶、キタテハです。
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 すべて違う個体ですが、それぞれ翅の面積がずいぶん狭くなってしまいました。

 この里山は千葉県でよく見られる地形です。地面が低くなっているところに田が作られ、少し高いところは林や人家があります。田の中央には南北に延びる水路があり、印旛沼まで繋がっています。田の両側に水路と並行に農道が走っています。下の写真の左です。そして、水路を東西に横切る細道が所々に有ります。田が休耕になってしまうと細道はたちまち草むらになってしまいます(写真右)。アゲハやキタテハ、ベニシジミなどが多く見られる場所です。
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 林縁の農道の陽のあまり届かないところにコジャノメが見られます。珍しい蝶ではありませんが、数が多い蝶ではありません。それが、今年は木陰を歩くと次々とコジャノメが飛び出します。こんなに多いのは初めてです。
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 ヒメウラナミジャノメはコジャノメより二回りほど小さく、明るい場所を好みます。これも2日間で急に数を増した初夏の蝶です。
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 この時期の里山でジャノメチョウの仲間と主役の座を争うのはセセリチョウの仲間です。どちらも地味な蝶が多いのですが・・・。一番偉そうな名前が付いているのはダイミョウセセリです。大名という名が相応しいのは縄張り意識の高さでしょうか、同種だけでなくヒメウラナミジャノメにもスクランブルをかけます。
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 この時期一番多いのはコチャバネセセリです。翅の表は濃い茶褐色ですが、裏側は五円玉のような黄銅色です。新鮮なうちだけですが。
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 イチモンジセセリは秋の蝶というイメージがありますが、毎年この季節に初めて姿を見せます。数は多くありませんが。
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 シロチョウの仲間では、ツマキチョウは姿を消しました。モンシロチョウとモンキチョウは数は減りましたが元気に飛んでいます。キタキチョウは少し数を増したようです。
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 5月5日、間違いなく一番多かったのはベニシジミでした。ただし、新鮮な個体はあまり見られませんでしたが。それが、2日後の5月7日にはすっかり数が減っていました。この個体もだいぶ翅が傷んでいます。
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 上の写真ですが、右が前から使っていた105mmマクロです。そして左が300mmです。同じくらいの大きさにトリミングしています。被写体までの距離はマクロが70cm、望遠が150cmです。逃げられるリスクは圧倒的に望遠が有利です。しかし、望遠を使ってみると150cmの距離に障害物が入りやすく、そのため、上から斜めに撮ることが多くなります。このベニシジミのように水平に狙えることは多くありません。閉翅のシジミチョウを撮るには翅の面とレンズが90度になることが理想です。しかし、それがわかっていても横着者の私のことですから、マクロを使わなくなってしまうことが心配です。
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 温暖化でオフィス街では既にクールビズが始まっています。里山はというと、衣替えではなく主役の交代が進んでいるのです。春から初夏へと。
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Commented by yurinBD at 2016-05-10 20:49
さすがに同じ千葉県、私も同じような蝶を撮影しました。そして、地形的にも同じような所謂、谷津田地形です。
コジャノメは出会えていませんので、羨ましいです!
ツマグロヒョウモンは雄だけで、雌はまだ見ていません。
レンズでについては、私はもっぱら300mm、たまに広角といった具合でしてマクロの使用頻度が少ないです・・・。
今年は意識的にマクロを使うように頑張ってみます!
Commented by fushiginomori at 2016-05-10 21:38
yurinさん、私は300mmは未だ不慣れで練習中です。
ミドリシジミの季節に向けて!!
しばらくはジャノメとセセリ、
それからもうすぐイチモンジチョウでしょうか?
千葉には山が無いのがちょっとさみしいですね。
Commented by banyan10 at 2016-05-14 19:01
里山でこの時期に見られる蝶が並んでいますね。
コジャノメ、ヒメウラナミジャノメなどもじっくり撮影すると魅力的な蝶ですね。
僕の使っている300mmのズームはマクロモードで1m
で撮影できます。それでも、産卵などは間が邪魔で撮影しにくいケースもあります。万能なレンズはないので何を優先するかなのでしょうね。
Commented by fushiginomori at 2016-05-15 22:10
banyanさん、先月お会いした時に、
ズームを使っていらっしゃるのだなとは気づきましたが、
1mまで寄れるのは良いですね。
300mmを使っていると、まず立ったまま撮って、
しゃがんでアングルを変えようとすると近すぎて…、
なんて失敗を繰り返しています。
by fushiginomori | 2016-05-10 19:00 | 千葉県 | Comments(4)

千葉の里山、近郊の公園、そして南の島の不思議の森で出逢ったシジミチョウをご紹介します


by fushiginomori