里山を歩くと季節毎に聞こえてくる音も移り変わります。春から初夏へと季節が変わろうとする4月下旬、田圃では蛙の合唱が始まります。子供の頃トノサマガエルと教わった蛙が、本当はトウキョウダルマガエルだったのか、よくわかりません。そんなことを考えながら歩いていると、足元で
ツマキチョウが吸蜜していました。やっと褄の黄色を写すことができました。
しかし、4月も下旬になるとツマキチョウはだいぶ翅が傷んでいます。こちらは別の個体です。褄が黄色なのは雄だけです。
雌の方が遅れて発生するので、まだ翅が綺麗でした。雌は褄も地の白色です。
ちょっと不思議な感じの
モンシロチョウです。どこが変だかお解りでしょうか?
身体の背中側が黒いのです。誰かのいたずらでしょうか?触角も黒く見えます。もう少し左に廻ろうとしたら、飛ばれてしまいました。
モンシロチョウは数が多かったのですが、
スジグロシロチョウはこの一頭だけでした。翅はボロボロでしたが、元気に飛び回っています。
ムラサキシジミの雌が陽を受けて翅を伸ばしています。成虫で越冬したので翅は傷んでいました。
この春に羽化したばかりの
ツバメシジミは同じブルーでも輝きが違います。
ここで見られるブルーのシジミチョウはツバメシジミとルリシジミ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミの4種です。そして、ブルーの翅を持つのはすべて雄です。
ツバメシジミの雌も見つかりました。雄と違って地味な色合いです。
翅の地色は黒いのですが、特に春型はブルーとオレンジでお洒落しています。夏になると翅の地色は褐色がかった黒になり、このブルーは見られなくなります。
ツバメシジミはちょうど数が増えてくる頃で、新鮮な個体が多く見られました。
ヤマトシジミはまだ数が少なく、今日出逢ったのは1頭だけでした。雌です。
雄の翅はずっとブルーの部分が広いのですが、雌はツバメシジミと同じように黒い地色に濃いめのブルーを散りばめているのです。ヤマトシジミはゴールデンウィークの頃にその数を増します。
今日里山に流れていた音は、蛙の唄の他には、すっかり上手になった鶯の囀り、そして時々聞こえてくる鋭い雉の声でした。里山は間もなく初夏です。